共通テスト 情報Ⅰ・2-3

情報技術の発展と社会の変化の一問一答

共通テスト「情報Ⅰ」の「情報社会とデザイン」から、情報技術の発展と社会の変化に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-3・基礎

内閣府が示している「Society 5.0」の説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①仮想空間と現実空間を高度に融合させた、人間中心の社会
  • ②工場の機械化で大量生産が進んだ、工業が中心の社会
  • ③コンピュータと通信網で情報が行き交う、情報中心の社会
  • ④田畑を耕して作物を育て、人々が定住する農耕中心の社会
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正解 ①仮想空間と現実空間を高度に融合させた、人間中心の社会
解説
正解は「仮想空間と現実空間を高度に融合させた、人間中心の社会」。内閣府は、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムで、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会、と説明しています。

なぜ
内閣府は、狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(2.0)、工業社会(3.0)、情報社会(4.0)に続く新たな社会として5.0を示しています。この考え方は、2016年1月22日に閣議決定された第5期科学技術基本計画で初めて示されました。コンピュータやネットワークの中の世界(サイバー空間)と、私たちが暮らす現実の世界(フィジカル空間)を組み合わせて、経済の発展と社会の課題の解決を両方かなえることを目指しています。

ひっかけ注意

・「工場の機械化で大量生産が進んだ、工業が中心の社会」…Society 3.0(工業社会)。機械で大量生産する点が特徴で、仮想空間との融合はまだない。
・「コンピュータと通信網で情報が行き交う、情報中心の社会」…Society 4.0(情報社会)。5.0はこの情報社会の次の社会で、仮想空間と現実空間を高度に融合させる点が違い。
・「田畑を耕して作物を育て、人々が定住する農耕中心の社会」…Society 2.0(農耕社会)。その前の1.0は狩猟社会。
問22-3・基礎

WHO(世界保健機関)の国際疾病分類 第11回改訂版(ICD-11)に加えられた「ゲーム障害」の説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①1日にゲームをする時間が、2時間を超えるようになった状態
  • ②ゲームを自分で制御できず、問題が起きても続けている状態
  • ③ゲーム画面を長く見続けて、目の疲れや肩こりが起こる状態
  • ④ゲームの操作が苦手で、機器を使うことに不安を感じる状態
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正解 ②ゲームを自分で制御できず、問題が起きても続けている状態
解説
正解は「ゲームを自分で制御できず、問題が起きても続けている状態」。ICD-11(2018年に公表、2019年に採択、2022年1月に発効)で、病気の分類の1つとして加えられました。

なぜ
厚生労働省の会議で示された資料では、ゲーム障害の特徴を次のように整理しています。
①ゲームをする時間や頻度などを自分で制御できない。
②他の関心事や日常の活動よりゲームを優先する。
③問題が起きてもゲームを続けたり、増やしたりする。
これらのために生活に大きな支障が出ている状態が12か月以上続く場合に診断されます(重い場合はもっと短くても診断されます)。学習指導要領の解説も、ネット依存などの健康面への影響を、情報技術がもたらす影の1つとして挙げています。

ひっかけ注意

・「1日にゲームをする時間が、2時間を超えるようになった状態」…時間の長さだけでは決まらない。制御できない・優先する・問題が起きても続ける、が12か月以上続くかで判断する。
・「ゲーム画面を長く見続けて、目の疲れや肩こりが起こる状態」…情報機器作業による体の疲れ。厚生労働省は、連続作業を1時間以内にし、次までに10〜15分離れることを示している。
・「ゲームの操作が苦手で、機器を使うことに不安を感じる状態」…テクノストレスのうちテクノ不安症に近い状態。のめり込むのではなく、避けたくなる点が違い。
問32-3・基礎

家庭のエアコンや冷蔵庫などがインターネットにつながり、外出先からスマートフォンで操作したり、動作の状態を確かめたりできるようになった。このように、さまざまなモノがインターネットにつながる仕組みを何というか。

  • ①AR
  • ②SNS
  • ③IoT
  • ④VR
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正解 ③IoT
解説
正解は「IoT」。Internet of Things の略で、モノのインターネットと訳されます。

なぜ
パソコンやスマートフォンだけでなく、家電・自動車・工場の機械・センサなど、いろいろなモノがネットワークにつながり、データをやり取りします。総務省の情報通信白書は、IoTで集めたデータを蓄積してビッグデータとし、AIで分析して将来を予測する、という関係を示しています。一方、つながる機器が増えるほど、乗っ取りなどを防ぐ対策も必要になります。

ひっかけ注意

・「AR」…拡張現実。現実の風景にコンピュータの映像を重ねて見せる技術。現実の風景が見えたままになる点が、VRとの違い。
・「SNS」…人と人がつながって交流するためのWebサービス。つながるのがモノではなく人どうしである点が違い。
・「VR」…仮想現実。コンピュータで作った空間の中にいるような体験をさせる技術。現実の風景は見せず、作った空間だけを見せる。
問42-3・標準

鉄道会社が、交通系ICカードで記録された大量の乗り降りの記録を分析し、駅や時間帯ごとの混雑を予測して列車の運行計画に役立てた。ここで分析された、量が多く、種類や発生頻度もさまざまなデータを何というか。

  • ①オープンデータ
  • ②メタデータ
  • ③オープンソース
  • ④ビッグデータ
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正解 ④ビッグデータ
解説
正解は「ビッグデータ」。一般的なデータベースのソフトウェアでは扱いきれないほど大量で、出どころも多様なデータのことです。

なぜ
ICカードの記録、スマートフォンの位置情報、センサの測定値など、社会では毎日大量のデータが生まれています。これを集めて分析すると、混雑の予測や商品の需要予測など、これまで分からなかった傾向が見えてきます。個人に関するデータを含む場合は、プライバシーへの配慮が欠かせません。

ひっかけ注意

・「オープンデータ」…国や自治体などが、だれでも二次利用できるように公開したデータ。会社が自社で集め、公開していない記録の場合は当たらない。
・「メタデータ」…データについて説明するデータ。写真なら撮影日時や撮影場所などがこれに当たる。
・「オープンソース」…ソースコードが公開され、利用・改変・再配布が認められたソフトウェア。データではなくプログラムに対する言葉である点が違い。
問52-3・標準

学校が自前のサーバを置かずに、インターネットを通じて事業者のサーバやソフトウェアを、必要な分だけ利用する形態を何というか。

  • ①クラウドコンピューティング
  • ②エッジコンピューティング
  • ③オンプレミス
  • ④スタンドアロン
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正解 ①クラウドコンピューティング
解説
正解は「クラウドコンピューティング」。ネットワーク経由で、コンピュータの資源(サーバ・保存領域・アプリなど)を必要なときに必要な分だけ使う形態です。

なぜ
自分で機器を買って管理しなくてよく、利用者が増えても資源をすぐに増やせます。どの端末からでも同じデータを使えるのも利点です。一方で、インターネットにつながらないと使えないことや、預けたデータの管理を事業者に任せることになる点に注意が必要です。

ひっかけ注意

・「エッジコンピューティング」…データを遠くのサーバに送らず、発生した場所の近くの機器で処理する考え方。通信の遅れを小さくしたい場合に使う。
・「オンプレミス」…自分の組織の建物の中に、自前でサーバなどを置いて運用する形態。機器の購入や管理を自分で行う点がクラウドとの違い。
・「スタンドアロン」…コンピュータをネットワークにつながずに単独で使う形態。外から攻撃されにくい一方、データの共有はしにくい。
問62-3・基礎

デジタルデバイドの例として、最も適切なものはどれか。

  • ①SNSで同じ意見の人とばかり話し、考えが偏っていく
  • ②ネットを使えない人が、ネット限定の割引を受けられない
  • ③長い時間の画面作業で、目の疲れや肩のこりが起こる
  • ④ネットに載せた写真が、削除した後もどこかに残り続ける
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正解 ②ネットを使えない人が、ネット限定の割引を受けられない
解説
正解は「ネットを使えない人が、ネット限定の割引を受けられない」。情報通信技術を使える人と使えない人の間に生まれる格差がデジタルデバイドです。

なぜ
ネットの予約や申し込みでしか受けられないサービスが増えると、機器を持っていない人や使い方に慣れていない人が不利になります。総務省の情報通信白書は、地域の間の格差、年齢などによる個人や集団の間の格差、国と国の間の格差の3つの見方を示しています。このうち個人や集団の間の格差は、性別・年齢・学歴などの違いによる利用の差を指します。

ひっかけ注意

・「SNSで同じ意見の人とばかり話し、考えが偏っていく」…エコーチェンバーの例。似た意見の人どうしで交流する場合に、特定の意見が強まっていく現象。
・「長い時間の画面作業で、目の疲れや肩のこりが起こる」…情報機器作業による健康への影響の例。厚生労働省は、連続作業を1時間以内にするよう示している。
・「ネットに載せた写真が、削除した後もどこかに残り続ける」…デジタルタトゥーの例。一度広まった情報は、元の投稿を消しても消しきれない場合が多い。
問72-3・標準

厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」で、事務所でのパソコンなどの作業について示されている作業時間の区切り方として、正しいものはどれか。

  • ①連続作業は2時間を超えず、次までに30分間以上作業から離れる
  • ②連続作業は3時間を超えず、次までに5分間ほど作業から離れる
  • ③連続作業は1時間を超えず、次までに10〜15分作業から離れる
  • ④連続作業は30分を超えず、次までに1時間は作業から離れる
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正解 ③連続作業は1時間を超えず、次までに10〜15分作業から離れる
解説
正解は「連続作業は1時間を超えず、次までに10〜15分作業から離れる」。さらに、1回の連続作業の間にも、1〜2回の小休止(1〜2分ほど)を入れるよう示されています。

なぜ
このガイドラインは、以前のVDT作業のガイドラインに代わって示されたものです。パソコン作業がおよそ1時間以上続くと、入力の誤りが増えるなどの研究結果が、1時間の目安の根拠とされています。作業から離れる時間は、いわゆる休憩時間ではなく、遠くを見たり体を動かしたり、画面を使わない別の仕事をしたりする時間です。

ひっかけ注意

・「連続作業は2時間を超えず、次までに30分間以上作業から離れる」…上限の2時間は目安の2倍で長すぎる。離れる時間の30分もガイドラインの数値と違う。
・「連続作業は3時間を超えず、次までに5分間ほど作業から離れる」…連続時間が目安の3倍で長すぎ、離れる時間も10〜15分より短い。
・「連続作業は30分を超えず、次までに1時間は作業から離れる」…上限も離れる時間も数値が違う。1時間離れるのは作業休止ではなく、作業そのものの削減になる。
問82-3・標準

テクノストレスのうち、コンピュータに過度にのめり込み、人間らしい感じ方が弱まって機械的な考え方をするようになり、人との意思疎通も苦手になる状態を何というか。

  • ①テクノ不安症
  • ②燃え尽き症候群
  • ③デジタルデバイド
  • ④テクノ依存症
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正解 ④テクノ依存症
解説
正解は「テクノ依存症」(テクノ依存)。コンピュータに過剰になじんでしまう型のテクノストレスです。

なぜ
テクノストレスは、コンピュータを使う作業に関係して起こる心の不調で、大きく二つの型に分けられます。
①テクノ依存:コンピュータに中毒のようにのめり込み、人らしい感じ方が弱まって、機械的な考え方をするようになる型。本人に自覚や苦しさがないのが厄介な点です。
②テクノ不安:操作の技能が足りないことからくる不安で、コンピュータを避けたくなり、心の不調につながる型。
学習指導要領の解説も、テクノストレスを健康面への影響の例として挙げています。

ひっかけ注意

・「テクノ不安症」…操作が苦手なことからくる不安で、コンピュータを避けたくなる型。本人が苦しさを感じるため、自覚しにくい依存とは逆の型。
・「燃え尽き症候群」…WHOのICD-11では、職場の慢性的なストレスにうまく対処できずに起こる状態。疲れ切る・仕事から心が離れる・仕事の効力感が下がるの3つが特徴で、病気ではなく職業上の現象とされる。
・「デジタルデバイド」…情報通信技術を使える人と使えない人の間に生まれる格差。個人の心の状態ではなく、社会の中の差を指す点が違い。
問92-3・標準

コンピュータが大量のデータから規則性やパターンを自動的に見つけ出し、それをもとに予測や判断ができるようになる技術を何というか。

  • ①機械学習
  • ②エキスパートシステム
  • ③自然言語処理
  • ④音声合成
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正解 ①機械学習
解説
正解は「機械学習」。人がすべての規則を書き込むのではなく、データから規則をつかみ取るのが特徴です。

なぜ
例えば、たくさんの迷惑メールと普通のメールを読み込ませると、コンピュータが見分け方の傾向を自分で見つけ、新しいメールを分類できるようになります。総務省の情報通信白書によると、2000年代からの第3次AIブームで、ビッグデータを使った機械学習が実用化し、ディープラーニングも登場しました。学習に使うデータにかたよりがあると、判断もかたよるので注意が必要です。

ひっかけ注意

・「エキスパートシステム」…専門家の知識を、人が規則として書き込んで判断させる仕組み。1980年代の第2次AIブームで実用化されたが、知識をすべて書き込む難しさがあった。
・「自然言語処理」…人が話したり書いたりする言葉を、コンピュータで扱う技術の分野。翻訳や文章の要約などに使われる。学び方ではなく、扱う対象(言葉)で分けた名前である点が違い。
・「音声合成」…文字を人の声のような音声に変えて読み上げる技術。出力の形に注目した名前で、データから規則を見つける学び方とは違い、応用先の1つ。
問102-3・標準

生成AI(文章や画像などを作り出すAI)を学習や調べ学習に使うときの注意点として、最も適切なものはどれか。

  • ①出力は大量のデータから作られるので、確認は要らない
  • ②出力に誤りが混じる前提で、内容を別の情報で確かめる
  • ③出力は自動で作られるので、著作権の問題は起こらない
  • ④個人情報を入力しても、外部に保存されることはない
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正解 ②出力に誤りが混じる前提で、内容を別の情報で確かめる
解説
正解は「出力に誤りが混じる前提で、内容を別の情報で確かめる」。生成AIは、もっともらしいけれど事実と違う内容を出すことがあります(ハルシネーション)。

なぜ
生成AIは、学習したデータをもとに、それらしい言葉の続きを作り出す仕組みです。正しいかどうかを自分で確かめているわけではありません。文部科学省のガイドラインも、誤った出力を完全に防ぐのは極めて難しいとしています。出力は答えそのものではなく考える材料の一つとして扱い、公的機関の資料などの信頼できる情報で確かめます。

ひっかけ注意

・「出力は大量のデータから作られるので、確認は要らない」…データが多くても、誤りを完全に防ぐのは難しいため確認が必要。文部科学省のガイドラインは、出力を慎重に判断し、正確さや事実関係を確かめるよう求めている。
・「出力は自動で作られるので、著作権の問題は起こらない」…既存の作品と似ていて、それをもとに作られたと認められる場合は、著作権の侵害になりうる(文化庁)。
・「個人情報を入力しても、外部に保存されることはない」…入力した内容がサービス側に保存されたり学習に使われたりする場合がある。そのため個人情報は入力しない。

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