作家のAさんが実名ですでに公表している小説を、出版社が作者名を正しく表示したまま、Aさんの意に反して結末を書き換えて出版した。このときAさんが主張できる著作者人格権として、最も適切なものはどれか。
- ①同一性保持権
- ②翻案権
- ③公表権
- ④氏名表示権
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正解は「同一性保持権」。著作物やその題名を、作者の意に反して変えられない権利で、著作者人格権の一つです(第20条)。
なぜ
著作者の権利は大きく二つに分かれます。
①著作者人格権:作者の気持ち(人格)を守る権利。公表権・氏名表示権・同一性保持権の三つ(第18条〜第20条)で、他人に譲り渡せません(第59条)。
②著作権(著作財産権):作品の利用で得られる利益を守る権利。複製権・公衆送信権・翻案権など(第21条〜第28条)で、譲り渡せます(第61条)。
結末を意に反して書き換えられたことは、作品の中身を勝手に変えられたことなので、人格権のうち同一性保持権の問題になります。
ひっかけ注意
・「翻案権」…作品を元に脚色・映画化などで新しい作品を作る権利で、著作財産権の側です(第27条)。書き換えに関係はしますが人格権ではなく、他人に譲り渡すこともできます。
・「公表権」…まだ公表されていない作品を、公表するかどうか・いつ・どのように公表するかを決める権利です(第18条)。既に公表済みの場合は、この場面の問題になりません。
・「氏名表示権」…作者名を出すかどうか、本名かペンネームかを決める権利です(第19条)。作者名が正しく表示されている場合は侵害になりません。