共通テスト 情報Ⅰ・2-8

個人情報とプライバシーの一問一答

共通テスト「情報Ⅰ」の「情報社会とデザイン」から、個人情報とプライバシーに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-8・基礎

個人情報保護法において、「個人情報」に該当しないものはどれか?

  • ①個人を識別できない形に集計した統計
  • ②氏名と住所が記された顧客名簿
  • ③特定の個人が映った防犯カメラの映像
  • ④マイナンバー(個人番号)
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正解 ①個人を識別できない形に集計した統計
解説
正解は「個人を識別できない形に集計した統計」。特定の個人が分からないので、個人情報に当たりません。

なぜ
個人情報保護法の個人情報とは、生きている個人の情報で、氏名などから特定の個人を識別できるもの、または個人識別符号(マイナンバーや指紋データなど、それだけで本人が分かる番号や符号)を含むものです。平均や人数のように集計して、だれのことか分からなくした統計情報は対象外です。

ひっかけ注意

・「氏名と住所が記された顧客名簿」…氏名で本人が分かるので個人情報。事業者がデータベースにして持てば個人データになり、第三者に渡す場合は原則として本人の同意が必要(第27条)。
・「特定の個人が映った防犯カメラの映像」…顔などで本人が分かるので個人情報。顔の特徴を照合用のデータに変換したもの(顔認証データ)は、それだけで本人が分かる個人識別符号にもなる(施行令第1条)。
・「マイナンバー(個人番号)」…個人識別符号に当たるので、番号だけでも個人情報。他に旅券(パスポート)の番号・基礎年金番号・運転免許証の番号なども個人識別符号(施行令第1条)。
問22-8・基礎

個人情報保護法における「要配慮個人情報」に含まれるものはどれか?

  • ①電話番号とメールアドレス
  • ②本人の病歴や犯罪歴
  • ③クレジットカード番号
  • ④所属する学校名や会社名
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正解 ②本人の病歴や犯罪歴
解説
正解は「本人の病歴や犯罪歴」。要配慮個人情報に当たります。

なぜ
要配慮個人情報とは、本人への不当な差別や偏見につながるおそれがあり、特に配慮が必要な個人情報です。人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪の被害を受けた事実などが法律で決められています。取得するときは、原則として本人の同意が必要です。

ひっかけ注意

・「電話番号とメールアドレス」…本人が分かれば個人情報になるが、要配慮個人情報には入らない。取得に本人の同意は原則いらず、利用目的の通知か公表でよい(第21条)。
・「クレジットカード番号」…悪用に注意が必要な情報だが、要配慮個人情報にも、それだけで本人が分かる個人識別符号(施行令第1条)にも入らない。
・「所属する学校名や会社名」…個人情報になり得るが、要配慮個人情報には入らない。要配慮個人情報は人種・信条・社会的身分・病歴・犯罪の経歴・犯罪の被害を受けた事実など(第2条第3項)。
問32-8・基礎

Webサイトが利用者のブラウザにデータを保存し、再訪問時の識別やログイン状態の維持などに利用する仕組みはどれか?

  • ①キャッシュ
  • ②履歴(ヒストリー)
  • ③クッキー(Cookie)
  • ④ブックマーク
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正解 ③クッキー(Cookie)
解説
正解は「クッキー(Cookie)」。Webサイトが利用者のブラウザに保存させる小さなデータです。

なぜ
サーバから送られたクッキーはブラウザに保存され、次に同じサイトを見るときにサーバへ送り返されます。本来、HTTP(Webの通信の約束ごと)は1回ごとのやりとりを覚えていませんが、クッキーを使うと、ログイン状態やカートの中身を覚えておけます。一方で、利用者の行動を追いかける(トラッキング)ことにも使われるため、利用の同意を求めるサイトが増えています。

ひっかけ注意

・「キャッシュ」…一度見たページの画像などをブラウザに保存し、次に同じページを表示する場合に速くするしくみ。サーバに送り返して利用者を見分けるためのものではない。
・「履歴(ヒストリー)」…ブラウザが自分の端末に記録する、見たページの一覧。サイトに送られない点が、サーバに送り返されるクッキーとの違い。
・「ブックマーク」…利用者が自分で登録する、お気に入りのページの一覧。サイトが保存させるクッキーに対して、利用者が自分で作って管理する。
問42-8・標準

個人情報を匿名加工情報として第三者に提供する場合、事業者が行わなければならない義務として適切なものはどれか?

  • ①個人データと同じく、本人の同意を得る
  • ②個人情報保護委員会の許可を毎回得る
  • ③加工前のデータと照合できるよう保管する
  • ④元に戻せないよう加工し、項目を公表する
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正解 ④元に戻せないよう加工し、項目を公表する
解説
正解は「元に戻せないよう加工し、項目を公表する」。匿名加工情報は本人の同意なしで第三者に提供できますが、加工と公表のルールがあります。

なぜ
匿名加工情報とは、特定の個人を識別できず、元の個人情報に戻せないように加工した情報です。作る事業者は、決められた基準で加工し、含まれる情報の項目を公表します。第三者に提供するときも、提供する情報の項目や提供の方法を公表し、相手に匿名加工情報であることを示します。

ひっかけ注意

・「個人データと同じく、本人の同意を得る」…匿名加工情報の提供に本人の同意はいらない。一方、個人データを第三者に提供するときは、法令に基づく場合や、人の命・体・財産を守るために必要で同意を得にくい場合などを除き、あらかじめ本人の同意が必要(第27条第1項)。
・「個人情報保護委員会の許可を毎回得る」…そのような許可の制度はない。事業者自身が委員会規則の基準に従って加工し、含まれる情報の項目を公表する(第43条)。
・「加工前のデータと照合できるよう保管する」…本人を特定するために他の情報と照合することは禁止(第43条第5項・第45条)。社内で照合できる形のまま加工する仮名加工情報は別のしくみで、原則として第三者に提供できない(第41条・第42条)。
問52-8・標準

OECD(経済協力開発機構)が提唱した「プライバシー保護と個人データの国際流通についてのガイドライン」に含まれる8原則のうち、「収集制限の原則」とはどのようなものか?

  • ①適法で公正な手段で、必要なら同意を得て集める
  • ②集めたデータを、目的以外に利用してはならない
  • ③データは正確で完全、かつ最新に保つべきである
  • ④データの漏えいを防ぐ安全対策を行うべきである
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正解 ①適法で公正な手段で、必要なら同意を得て集める
解説
正解は「適法で公正な手段で、必要なら同意を得て集める」。これが収集制限の原則です。

なぜ
OECD(経済協力開発機構)のプライバシー・ガイドラインは、個人データを扱うときの8つの原則を示しています。収集制限・データ内容・目的明確化・利用制限・安全保護・公開・個人参加・責任の8つです。収集制限の原則は、個人データは適法で公正な手段で集め、必要な場合は本人に知らせるか同意を得るべきだ、というものです。日本の個人情報保護法にも、これらに対応する決まりがあります。

ひっかけ注意

・「集めたデータを、目的以外に利用してはならない」…利用制限の原則。本人の同意がある場合や法律の規定がある場合は例外。日本の法律では目的外利用の制限(第18条)に当たる。
・「データは正確で完全、かつ最新に保つべきである」…データ内容の原則。利用目的に必要な範囲で正確・完全・最新に保つ。日本の法律ではデータ内容の正確性の確保(第22条)に当たる。
・「データの漏えいを防ぐ安全対策を行うべきである」…安全保護の原則。紛失・不当なアクセス・破壊・改ざん・漏えいを防ぐ。日本の法律では安全管理措置(第23条)に当たる。
問62-8・標準

「忘れられる権利」として議論されている、インターネット上のプライバシーに関する権利の説明として適切なものはどれか?

  • ①自分のデータを別のサービスへ移せる権利
  • ②ネット上の自分の情報の削除を求める権利
  • ③企業が持つ自分の情報の開示を求める権利
  • ④自分の氏名や肖像を無断で使われない権利
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正解 ②ネット上の自分の情報の削除を求める権利
解説
正解は「ネット上の自分の情報の削除を求める権利」。忘れられる権利と呼ばれています。

なぜ
ネットに出た情報は、何年たっても検索で見つかることがあります。忘れられる権利は、昔の情報などが残り続けて不利益を受ける人が、その削除を求める権利として議論されてきました。EUのGDPR(一般データ保護規則)は、消去の権利(第17条)として明文化しています。日本では、最高裁判所が2017年の決定で、その事実を公表されない利益が、検索結果として示す理由より明らかに大きい場合に、検索結果の削除を求められるとしました。

ひっかけ注意

・「自分のデータを別のサービスへ移せる権利」…データポータビリティ権(GDPR第20条)。機械で読める形で受け取り、別の事業者に移せる。移しただけの場合、元のデータは自動では消えない。
・「企業が持つ自分の情報の開示を求める権利」…開示請求権(アクセス権、GDPR第15条)。日本の個人情報保護法にもあり(第33条)、電子データでの開示も請求できる。
・「自分の氏名や肖像を無断で使われない権利」…肖像権やパブリシティ権など、人格にかかわる権利。パブリシティ権は、肖像などが客を引きつける力を独占して使う権利で、最高裁が2012年に認めた。
問72-8・標準

プライバシーマーク制度(Pマーク)において、事業者が適切に個人情報を扱っているかを審査・認定する基準となる日本産業規格(JIS)はどれか?

  • ①JIS Q 9001
  • ②JIS Q 14001
  • ③JIS Q 15001
  • ④JIS Q 27001
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正解 ③JIS Q 15001
解説
正解は「JIS Q 15001」。個人情報保護マネジメントシステムの規格で、プライバシーマークの審査基準になっています。(情報Ⅰの範囲を少し超えた発展の内容です)

なぜ
プライバシーマーク制度は、個人情報を適切に扱うしくみを作って運用している事業者を認定する制度で、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が運営しています。事業者は、この規格に沿って、個人情報の扱い方を決め、守り、点検し、改善するしくみを作ります。認定された事業者はPマークを表示でき、有効期間は2年間(更新できる)です。

ひっかけ注意

・「JIS Q 9001」…品質マネジメントシステムの規格。製品やサービスの品質を保つしくみを定めたもので、個人情報の保護を目的とするJIS Q 15001とは対象が違う。
・「JIS Q 14001」…環境マネジメントシステムの規格。事業活動が環境に与える影響を管理するしくみで、JIS Q 15001とは対象が違う。
・「JIS Q 27001」…情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の規格。個人情報に限らず組織の情報全体の機密性・完全性・可用性を守る点が、個人情報に絞ったJIS Q 15001との違い。
問82-8・基礎

スマートフォンのアプリが、利用者の位置情報や連絡先などにアクセスする際、OSが利用者に許可を求める仕組みを何と呼ぶか?

  • ①アクティベーション
  • ②フィルタリング
  • ③ペアリング
  • ④パーミッション(権限)確認
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正解 ④パーミッション(権限)確認
解説
正解は「パーミッション(権限)確認」。アプリが位置情報などを使う前に、OSが利用者に許可を求めるしくみです。

なぜ
カメラ、マイク、位置情報、連絡先などは、プライバシーにかかわる機能やデータです。アプリがそれらを使おうとすると、OSが許可するかどうかを利用者に確認します。必要のない権限は許可しないことが、個人情報を守ることにつながります。

ひっかけ注意

・「アクティベーション」…ソフトウェアが正規のライセンスで使われているかを、シリアル番号の入力やオンライン認証で確かめるしくみ。不正コピーを防ぐためのもの。
・「フィルタリング」…有害なサイトなどへのアクセスを制限するしくみ。18歳未満が携帯電話を使う場合は、保護者が不要と申し出ない限り利用が条件になる。
・「ペアリング」…Bluetooth機器などを互いに登録して、機器どうしを接続できるようにするための操作。個人データへのアクセスを許すかどうかの確認ではない。
問92-8・基礎

GDPR(一般データ保護規則)は、どこの国・地域の個人データ保護に関する法律か?

  • ①EU(欧州連合)
  • ②アメリカ合衆国
  • ③日本
  • ④中国
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正解 ①EU(欧州連合)
解説
正解は「EU(欧州連合)」。GDPRはEUの一般データ保護規則です。

なぜ
GDPRは、EU域内の人の個人データを守るための厳しいルールで、2018年5月25日から適用されています。EUの外にある事業者でも、EU域内の人に商品やサービスを提供する場合などは適用されます(第3条)。違反すると、最大2000万ユーロか世界全体の年間売上高の4%のうち高いほうの制裁金が科されることがあります(第83条)。

ひっかけ注意

・「アメリカ合衆国」…GDPRはアメリカの法律ではない。ただし、アメリカの事業者でも、EU域内の人に商品やサービスを提供する場合などはGDPRが適用される(第3条)。
・「日本」…日本の主な法律は個人情報保護法で、個人情報保護委員会が監督する。日本とEUは2019年1月から、互いの個人データを移しやすくする枠組み(十分性認定など)を結んでいる。
・「中国」…中国には個人情報保護法という別の法律がある。GDPRは中国の法律ではなく、EU加盟国すべてに直接適用される規則(第99条)。
問102-8・標準

著名人の氏名や肖像が持つ顧客吸引力(客を引きつける経済的な価値)を、本人が独占して利用できる権利を何と呼ぶか?

  • ①プライバシー権
  • ②パブリシティ権
  • ③肖像権
  • ④著作者人格権
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正解 ②パブリシティ権
解説
正解は「パブリシティ権」。著名人の氏名や肖像が持つ、客を引きつける力を独占して使える権利です。

なぜ
有名人の写真を勝手に広告や商品に使って売上を伸ばすと、パブリシティ権の侵害になり得ます。最高裁判所は、この権利を人格権から生じる権利の1つとして認めています。一般の人の場合は、主に肖像権やプライバシー権が問題になります。

ひっかけ注意

・「プライバシー権」…私生活をみだりに公開されない権利。有名人でない場合も守られる人格的な利益で、客を引きつける経済的な価値を守る権利ではない。
・「肖像権」…自分の顔や姿をみだりに撮影・公開されない利益。最高裁は1969年の判決で、みだりに容ぼうなどを撮影されない自由を認めた。客を引きつける力の独占まで含む権利ではない。
・「著作者人格権」…著作者が作品について持つ公表権・氏名表示権・同一性保持権の3つ。他人に譲り渡せない(著作権法第59条)。

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